骨盤矯正

●骨盤の構造

骨盤は一つの骨ではなく、「仙骨」「尾骨」「寛骨」の3つの骨の組み合わせで構成されています。
また寛骨は、「坐骨」「恥骨」「腸骨」の結合によって形成されています。

●骨盤の役割

・上半身の土台

骨盤は上の方では背骨と繋がり、上半身を支える土台としての役割があります。
特に座っているときは、足ではなく坐骨で身体を支えるため、骨盤の位置が重要になってきます。

・地面からの衝撃を吸収する

臼状の「寛骨臼」に、大腿骨先端にある球状の「大腿骨頭」がはまり込む形で、股関節が形成されています。
股関節は左右の2点で体重を支え、歩行時や階段の上り下り時などに、地面からの衝撃を吸収する役割があります。

・内臓の保護

骨盤内には、内臓や生殖器が収められています。
骨盤はそれら臓器の位置を支え、保護する役割を担っています。

骨盤は横から見ると地面と垂直に立っており、前から見ても左右のねじれがないことが理想とされます。
そのため、次のような状態になっていると、骨盤がゆがんでいると言えます。

・骨盤が前側、後ろ側に傾いている
・左右の高さが違う、前後にねじれている

など

しかし、利き手や利き足などの関係で、どなたも多少はゆがんでいます。

●ゆがみのチェック方法

壁にかかと、お尻、背中、後頭部をつけて立ち、腰と壁の間に手を入れてください。

・手のひら一枚分以上の隙間がある→骨盤の前傾
・手のひらが入らない→骨盤の後傾

など

上記のようなゆがみが考えられます。

また、前後のねじれや左右の高さの違いは、身体の正面を鏡で見て確認してみましょう。

●不良姿勢

日常生活でのくせや、左右アンバランスな身体の使い方をしていると、骨盤が傾きやすくなります。
例えば次のような要因が挙げられます。

・足を組んで座る
・床に横座りやアヒル座りをする
・椅子に浅く腰かけ、足を前に投げ出すようにして座る
・片足に体重をかけて立つ
・カバンをいつも同じ腕で持つ
・スポーツや仕事で、いつも同じ方向に身体をひねる

などです。

●筋力の低下

筋力が低下すると、骨盤の位置が安定せずにゆがみやすくなります。
特に背骨から骨盤にかけて付着する「腸腰筋」の低下は、骨盤の傾きに大きく関与しています。

●足のケガ

捻挫、骨折などの影響で下肢に痛みや動かしにくさがあると、荷重バランスの崩れから骨盤がゆがみやすくなります。

骨盤矯正とは、姿勢不良や筋力の低下などでゆがんだ骨盤を、元の正しい位置に戻していく施術です。
当院では、カイロプラクティックの手法やブロックを用いて、骨盤を矯正していきます。

●カイロプラクティック

カイロプラクティックは、骨盤や背骨のゆがみ、ズレを矯正することで、身体の持っている自然治癒力を高めていく施術方法です。
次の2つのテクニックがあります。

・トムソンベッドテクニック

矯正用のベッドを使った施術になります。
首、胸、腰、骨盤部分で台が独立していることが特徴です。
施術の手順は次のようになります。

①矯正したい部位の台を上にあげます。
②骨盤や背骨など、矯正を加えたい関節に手を当てて、台を軽く下に押します。
③リフトアップした台が少しだけ下に落ち、そのとき働く慣性力によって、関節が矯正されます。

台が落ちる際に「ガシャン」と音はしますが、振り幅は小さいため、患者様は何も感じないくらいの衝撃になっています。

・ガンステットテクニック

手技によって、関節のズレを矯正していく施術です。
関節が元に戻る際、バキバキと音が鳴る場合があります。
音が鳴っても、関節にかかる圧力自体は弱いため、施術による痛みは感じにくくなっています。

●ブロック矯正

三角ブロックを使用した骨盤矯正です。

・みる、触るなどして、骨盤がどのように傾いているのかをチェックします。
・患者様にはベッドにうつ伏せ（場合によっては仰向け）に寝てもらいます。
・骨盤の傾きに合わせて、三角ブロックを骨盤の下に置きます。

あとは10〜15分ほど、そのまま待ってもらうだけです。
患者様の体重によって、骨盤が正しい位置に戻っていきます。

こちらの施術は自重を利用するため、身体にかかる刺激は非常に優しくなっています。

●施術の頻度

最初は週に1回を目安に受けていただき、骨格が馴染んできたら、徐々に間隔をあけていくことをおすすめしています。

もちろん一度の施術でも、効果は実感しやすくなっています。
しかし、時間をかけて骨格はゆがんでいるため、単発の施術だとゆがみは元に戻りやすくなっているのです。

頻度や間隔などは、施術者の方からもアドバイスさせていただきます。

●骨盤のゆがみの改善

当施術によって、骨盤の前傾や後傾、左右のねじれなどが解消されます。
また骨盤だけではなく、背骨のゆがみも改善していくため、骨盤の位置が安定しやすくなっています。

●姿勢の改善

身体の土台となる骨盤のバランスが整うため、「猫背」や「反り腰」といった姿勢の崩れが解消されやすくなります。

●身体の引き締め

骨盤の傾くと、お腹が出て見えたり、お尻が垂れて見えたりすることがあります。
そのため、骨盤矯正で骨盤の位置を整えることで、スタイルアップが期待できます。

特に産後の体型に効果的です。
（ヒップアップなど）

※「産後骨盤矯正」のページもご参照ください。

●腰痛の改善

骨盤が矯正されると、背中を伸ばした楽な姿勢をとりやすくなります。
上半身の緊張がとれて、血行が回復することで、腰痛の改善につながります。

骨盤矯正は身体の土台部分が整うため、症状も戻りにくくなっています。

●坐骨神経痛

骨盤の傾きが改善すると、その上に乗っている腰椎にかかる負担も軽減してきます。
また骨盤の位置が整い、坐骨でしっかり座れるようになるため、お尻の筋緊張も緩和しやすくなります。

このような理由から、骨盤矯正をおこなうことで、腰椎からお尻まわりを走る坐骨神経への圧迫緩和が期待できます。

●股関節、膝、足の症状

骨盤が矯正されると、股関節を介して下肢にかかる荷重バランスも整ってきます。
股関節、膝や足首にかかる負担が軽減されることで、「変形性股関節症」「変形性膝関節症」「外反母趾」といった症状の改善・予防が期待されます。

●生理痛の緩和

骨盤矯正によって、骨盤内にある生殖器の位置も上にあがってきます。
圧迫が緩和されて、卵巣や子宮の機能が回復することで、生理痛や生理不順といった不調の改善が期待できます。

当院の骨盤矯正はさまざまあり、「トムソンベッドテクニック」「ガンステットテクニック」「ブロック矯正」があります。

①トムソンテクニック

トムソンベッドという通常のベッドと異なった特殊なベッドを使用します。
肩甲骨部分、骨盤部分が持ち上がる仕様になっており、持ち上げたベッドを落とすことによりその衝撃で矯正をかけていきます。
矯正と聞くと痛みを伴うと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、このトムソンテクニックはとても痛みが少ないです。

②ガンステッドテクニック

ガンステッドテクニックは、いわゆる、バキバキと関節を鳴らす矯正です。
関節部分に溜まった空気を抜き、その抜けた勢いでゆがんだ骨を矯正をしていきます。
頸椎、胸椎、腰椎、骨盤部にアプローチすることが多く、頻発して行うことは推奨しておりません。

「トムソンテクニック」と「ガンステッドテクニック」に関しましては、骨盤がズレているの戻す施術になるため、日が経つと戻ってしまうことが多いです。

③ブロック矯正

ブロック矯正では、三角ブロックという道具を使用してうつぶせや仰向けの状態で骨盤に挟み、アプローチしていきます。
患者様ご自身の身体重で矯正をかける方法で、非常に安全な矯正方法になります。
痛みを伴う症状に関しては変化を施術直後に感じやすいので大変人気です。

ブロック矯正では、ズレている骨を戻すだけでなく、骨盤の正しい状態を維持したり、癖づけしたりする効果が期待できます。
そのため、当院ではブロック矯正を一番おすすめしております。

骨盤のゆがみによる不調にお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。